学習塾の指導方法の1つとしてオンライン家庭教師があります。コロナの流行以来、オンライン家庭教師の知名度も高まり、塾の選択肢として人気が出てきています。
しかし、どのように授業が行われるのか、どんなメリットやデメリットがあるのか気になることでしょう。
この記事ではオンライン家庭教師について一般的な仕組みとメリットやデメリット、オンライン家庭教師に向いている人について現役でオンライン家庭教師が解説していきます。
大学受験物理講師・ともくん
青森県出身。38歳。
経歴 東北大学物理学科→東北大学大学院理学研究科物理学専攻→公務員(教職ではない)→塾業界に転職→3つの予備校&塾をかけもつプロ講師(物理・数学)
歴代合格実績:旧帝大医学部、国公立大・私大医学部、東工大、旧帝大等多数
長い講師歴で数千人近くの生徒を送り出してきました。実際にいろいろな生徒と接する中で培った経験値を活かして、より多くの読者の皆様が将来の夢をかなえることができるようお手伝いできればと思っています。
オンライン家庭教師とは
オンライン家庭教師は、パソコンやスマートフォン、タブレットなどの機器を使用してインターネット上で家庭教師の授業を受けられるサービスです。
家庭教師というと生徒の家に講師が訪問し授業をするというイメージがありますが、オンライン家庭教師は全てのやり取りがネット上で完結するので自宅に来てもらう必要がありません。
お互いの顔や手元を画面で共有しながら授業を進めていくので、対面授業とあまり変わらず学習できます。
オンライン家庭教師の指導方法
オンライン家庭教師はパソコン等の機器を使用し、SkypeやZoom、会社の独自ツール等のアプリを通じて指導していきます。
私自身も現役でオンライン家庭教師として指導しておりますので、どのように指導していうるのか例を紹介していきたいと思います。
私が現在指導しているオンライン家庭教師では以上の図のような形で指導しています。
生徒とコミュニケーションをとるときはお互いパソコンのウェブカメラを用いて話をします。いざ授業が始まると講師側の私の方はホワイトボードをカメラで撮影して説明し、一方、生徒側は手元カメラでノートを写しながら問題を解きます。
もちろん、会社によってシステムが異なりますので、オンライン家庭教師の指導方法は様々なものがあります。
- お互いの顔だけを写して授業するもの
- ホワイトボードを用いず、講師、生徒ともに手元カメラで手元を写して授業するもの
- ipad等のタブレットのホワイトボードアプリを用いて、アプリ上に書き込みながら授業するもの
等々です。
オンライン家庭教師のメリット
オンライン家庭教師のメリットは、以下のとおりです。
- スケジュール調整がしやすい
- 全国どこでも好きなところで授業が受けられる
- 全国から教師を選べる
- 個別指導塾と比べ費用がおさえられる
では、ひとつひとつ解説していきたいと思います。
メリット①:スケジュール調整がしやすい
塾の個別指導や訪問型家庭教師もそうですが、比較的スケジュール調整がしやすいのはメリットでしょう。
集団塾や予備校の場合、時間割が「〇曜日の〇〇時から」と決められています。生徒さんによってはその時間は用事とかぶってしまって行けない、毎週同じ時間に授業を受けるというのが難しいなんて人も多いかと思います。
オンライン家庭教師では希望の時間で授業をしてくれるので忙しい生徒さんでも無理なく受講することができます。また「今週は用事で授業を受けられない」なんて場合でも、生徒と講師の互いの日程さえ合えば、授業を振替えして調整することができます。
メリット②:全国どこでも好きなところで授業が受けられる
田舎町では、家の周囲に塾がない等の理由ため、通塾の負担が大きくなることがあります。特に、共働きの保護者にとっては、子どもを塾への送迎がネックになり、安心して学習させることが難しい場合もあります。
オンライン家庭教師の最大のメリットは、パソコンやインターネット環境さえあれば、全国どこでも授業を受けられることです。自宅での学習はもちろん、外出先でも授業を受けることができるため、時間の節約にもつながります。
また、日本国内ではなく外国に住んでいるというお子様でも日本の教育を受けることが可能です。
メリット③:全国から教師を選べる
オンライン家庭教師では、通塾の目的や目標に応じて全国から教師を選べることも大きなメリットです。
生徒によっては、「〇〇大学出身の講師に教わりたい」「難関校の合格実績を持つベテラン講師に教わりたい」等の希望があるかと思います。首都圏では講師がいっぱいいるので個別塾や訪問型の家庭教師でも希望の講師を見つけるのはそこまで大変ではないかもしれません。しかし、地方では在籍講師の数が限られてしまうので希望通りの講師に巡り合えるかと言ったら必ずしもそうではないというのが正直なところです。
オンライン家庭教師は登録された全国の講師から希望の講師を探すことができるため、生徒の性格や志望校に合った講師を見つけやすいでしょう。
メリット④:個別指導塾と比べ費用がおさえられる
オンライン家庭教師は、個別指導塾と比べ、費用が安くなっていることが多いです。
これは、物理的な教室を持たないため家賃や光熱費、備品費などの固定費が大幅に削減できるからです。
オンラインでは、自宅のインターネット環境さえあれば授業を受けられるため、生徒の通塾にかかる時間や交通費も削減できます。
オンライン家庭教師のデメリット
オンライン家庭教師のデメリットは、以下のとおりです。
- 生徒の表情がわかりづらい
- 最低限のオンライン機器をそろえる必要がある
- 刺激し合える仲間がいない
では、ひとつひとつ解説していきたいと思います。
デメリット①:生徒の表情がわかりづらい
対面式の個別指導や集団授業では、講師は生徒の表情を注意深く観察しながら、個々の理解度を把握し、その場で適切なヒントや解説は何かというのを考えて授業をしています。
しかし、オンライン家庭教師ではパソコン画面越しに生徒の表情を見ることになるので、首を傾げたり眉をひそめたりといった細かいサインを見逃してしまい、生徒の理解度を早く正確に把握することが難しい場合があります。
もちろん、講師側はきちんと理解できているか声がけして確認しながら進めて行きますが、人見知りする生徒や大人しい生徒だと限界があります。
デメリット②:最低限のオンライン機器をそろえる必要がある
オンライン家庭教師では、授業を受ける環境を自分で自宅に整える必要があります。オンライン家庭教師会社にもよって必要機器は異なりますが、ほとんどの場合、
- ネット環境
- パソコン(タブレット)
- Webカメラ、マイク
- 手元カメラ
が必要になります。近年、パソコンやインターネットの利用がますます身近になるにつれて、パソコンにWebカメラやマイクが内蔵されることが当たり前になってきました。しかし、手元カメラについては普及率は低いので、手元カメラが必要な場合、新たに購入しなければならないかもしれません(手元カメラが必要ないオンライン家庭教師もありますが、授業クオリティを考えるとあった方がいいと思います)。
機器のデバイスの貸し出しを行っているところもあるので、それも踏まえてオンライン家庭教師を検討してみてください。
デメリット③:刺激し合える仲間がいない
対面式の個別指導塾や集団指導塾、予備校と比べて他の生徒と競いあいながら学習することができないという点はデメリットの一つです。
塾では一緒に高めあう仲間がいることで励まされることが多々あります。困難な問題に取り組んだり、挑戦的な目標に向かって努力する際に、仲間が支えてくれることがあります。オンライン家庭教師では基本的に自宅で勉強することになり、仲間と一緒に勉強することがないので「〇〇君よりもいい点数とりたい」「次は絶対に負けない」などモチベーションアップの刺激を得ることができません。
オンライン家庭教師が向いている人
ここまでで、オンライン家庭教師のメリット・デメリットについて理解していただけたと思います。では、オンライン家庭教師に向いている人どういう人なのかについて説明していきます。
- 学校や集団指導塾の授業についていけない人&物足りなく感じている人
- 自宅近くに通いたい塾がない人
- 部活や習い事で忙しい人
- 集中力が高い人
では、ひとつひとつ解説していきたいと思います。
向いている人①:学校や集団指導塾の授業についていけない人&物足りなく感じている人
学校の授業や集団授業についていけない場合、しっかりと生徒のペースに合わせてあげた方が着実に点数UPにつながります。また、授業についていけない場合、以前に習った内容が抜けているということが多いので、遡って指導してもらう必要があります。
学校の授業や集団指導塾の授業で物足りなさを感じている子も、家庭教師等の個別指導がいいでしょう。そういう生徒は難しい問題をもっとたくさんやりたいとか、学校の内容をどんどん進めたいということが多いです。家庭教師なら、生徒個人のレベルに合わせて進度、難易度を決められるので、より満足するサービスが受けられるでしょう。
向いている人②:自宅近くに通いたい塾がない人
田舎町では家の近くに通いたい塾がないとか、地域的に講師が手薄で希望の講師が見つからないという人には特におすすめです。
オンライン家庭教師は、場所を選ばずに全国どこでも好きなところで、全国の講師の中から自分の目標やレベルに合った講師を選んで授業を受けられるという大きなメリットがあります。
また、交通費や通塾時間といった負担も軽減されるため、より効率的に学習を進めることができます。
向いている人③:部活や習い事で忙しい人
メリット①で説明したとおり、オンライン家庭教師では希望の時間で授業をしてくれるので忙しい生徒さんでも無理なく受講することができます。
他に習い事をやっていない、部活が忙しくないという生徒にとっては集団指導塾や予備校はスケジュールが立てやすいですが、全員がそういうわけではありません。
習い事も部活も勉強も忙しいけど両立させたいという人にはオンライン家庭教師はおススメです。
向いている人④:集中力が高い人
オンライン家庭教師は、集中力が高い生徒に向いています。
逆に、集中力が低い生徒には必ずしも向いているとは言えません。オンライン授業では、先生と生徒が直接顔を合わせず画面越しのコミュニケーションとなるため、講師の目が届きにくい部分があります。そのため、集中力が途切れちゃう、途中で眠ってしまうような場合、講師側は気づきづらく、授業を円滑に進めることが難しいです。
この記事のまとめ
以上、オンライン家庭教師の特徴とメリット・デメリット、どういう人に向いているのかという内容について解説させて頂きました。
記事の内容をまとめると以下の通りです。
▼この記事のまとめ
- オンライン家庭教師は、インターネット上で家庭教師の授業を受けられるサービス
- オンライン家庭教師のメリット
- スケジュール調整がしやすい
- 全国どこでも好きなところで授業が受けられる
- 全国から教師を選べる
- 個別指導塾や訪問型家庭教師と比べ費用がおさえられる
- オンライン家庭教師のデメリット
- 生徒の表情がわかりづらい
- 最低限のオンライン機器をそろえる必要がある
- 刺激し合える仲間がいない
- オンライン家庭教師に向いている人
- 学校や集団指導塾の授業についていけない人&物足りなく感じている人
- 自宅近くに通いたい塾がない人
- 部活や習い事で忙しい人
- 集中力が高い人
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