「塾に通っているが成績がアップしない」「自分に合った授業がない」「担当講師の教え方が自分と合わない」などの理由から、通っている塾を変える、つまり転塾を検討しているという生徒、保護者の方もいるかと思います。
講師として長い間塾業界に携わっている中で、当然、「転塾したい」という生徒、「転塾してきた」という生徒をいっぱい見てきました。もちろん転塾することによって成績がアップするということは多々あります。 しかし中には転塾で失敗して戻ってくるというケースもたくさんあります。
そこで、今回は成功する転塾のポイントについて、紹介していきたいと思います。
大学受験物理講師・ともくん
青森県出身。37歳。
経歴 東北大学物理学科→東北大学大学院理学研究科物理学専攻→公務員(教職ではない)→塾業界に転職。講師歴約10年(物理・数学)
歴代合格実績:旧帝大医学部、国公立大・私大医学部、東工大、旧帝大等多数
長い講師歴で数千人近くの生徒を送り出してきました。実際にいろいろな生徒と接する中で培った経験値を活かして、より多くの読者の皆様が将来の夢をかなえることができるようお手伝いできればと思っています。
よくある転塾を考える理由
通っている塾に不満を感じている方、より良い学習環境を求めている方にとって転塾は一つの選択肢に上がってくるかと思います。
私は長い講師歴の中で、転塾を検討している生徒、実際転塾した生徒、転塾してきた生徒等、数多く見てきました。転塾を考える理由としてもいろいろあります。
その中でも「転塾をおすすめするケース」「転塾をおすすめできないケース」を紹介していきたいと思います。
転塾をおすすめするケース
転塾をおすすめするケースとしては、
- 成績が一向に伸びない場合
- 積極的な理由でより良い環境を臨む場合
- 経費的な理由の場合
- 塾の利便性が悪い場合
が上げられます。
おすすめするケース①:成績が一向に伸びない場合
塾に通い始めてすぐに成績が爆上がりするなんてことは、基本的にはありません。特に小・中学生とは違い、高校生の勉強は暗記で乗り切れるものではなく、しっかりと理屈を理解した上でコツコツやった上で徐々に成績が上がってくるものです。ですので、効果が出るまで最低でも半年は長い目で見てあげる必要があります。
しかし、逆に入塾してから半年以上経過しても成績の向上が見られない場合、その塾の指導方法、カリキュラムが生徒に合っていない可能性があります。その場合は転塾を考えても良いかもしれません。
おすすめするケース②:積極的な理由でより良い環境を臨む場合
ポイントは「積極的な理由で」です。「もっと大学入試に向けたことがやりたいから補習塾→進学塾へ」「今は苦手科目を重点的にやりたいから集団塾から指導が厚い個別指導へ」みたいな、計画をしっかり立てた上で強気な転塾はいい結果を生むことが多いので、こちらは個人的には送り出してやりたい気持ちになります。
おすすめするケース③:経費的な理由の場合
例えば高校3年生になって大学受験対策したいとなったときに個別指導のみで、全ての受験科目を対策するとなるととんでもない金額がかかってしまいます。それに加え、大学受験は併願も考えるとすごいお金がかかります。
予算の中で個別で1、2科目を重点的に指導してもらえた方がいいのか、それとも集団指導や通信教育ですべての科目を網羅した方がいいのか考え、成績が上がりそうな方、大学受験がうまく行きそうな方を選んだ結果、転塾という選択肢をとるのは致し方ないと思います。
おすすめするケース④:塾の利便性が悪い場合
高校生は忙しいです。学校終わったあと、部活もやって塾で勉強もして、家で予習復習もしてとなると大変です。そんなとき塾に移動する1時間がもったいないと思う生徒はいっぱいいます。
通塾する時間がかかりすぎた結果、その分学習時間が削られ疲労が蓄積して学校の勉強も中途半端みたいな状態になってしまうのが最悪なケースです。その場合、家の近くの塾、学校の近くの塾に転塾した方がいいでしょう。
転塾をおすすめできないケース
転塾をおすすめできないケースとしては、
- 一時的な成績の悪化の場合、入塾してすぐの場合
- 消極的な理由でより良い環境を臨む場合
- 塾の先生のせいにしている場合
が上げられます。
おすすめできないケース①:一時的な成績の悪化の場合、入塾してすぐの場合
1回のテストで成績が悪くなっても、動揺してはいけません。成績が下がる理由として、たまたま苦手な単元だったとか、その日は体調が悪かったとか、今回はサボってしまったとか、いろいろな要因が考えられます。その場合、次回のテストで挽回してやればいいと思ってドッシリ構えましょう。
また、入塾してすぐの場合、期待した成績がでなくても焦ってはいけません。おすすめするケース①で説明したとおり、入塾してから成績に反映されるまで半年くらいはかかってしまうものです。
一時的な成績で転塾を考えるようでは、転塾を繰り返すことになり、指導も効果的とは言えなくなりますので長い目で見ましょう。
おすすめできないケース②:消極的な理由でより良い環境を臨む場合
よくあるパターンですが、消極的な理由でより良い環境を臨む場合、経験上いい結果を生むことは少ないと思われます。例えば「授業についていけないから転塾」がよくあります。確かに授業についていけない場合、転塾した方がいい場合もありますが、正直、生徒を見ていると気持ちの問題、学習習慣のことが多いです。「ついていけないから」ではなく「授業に集中してないから」「予習復習してないから」のことが多いです。その場合、転塾というよりは学習習慣から見直した方が結果が出るのではないでしょうか。
おすすめできないケース③:塾の先生のせいにしている場合
これもよくあるパターンですが、「塾の先生がわかりずらい」「塾の先生が苦手」等の場合もおすすめできません。こちらも正直、気持ちの問題です。塾の先生との相性は大切だとは思います。しかし「塾の先生がわかりずらい」は基本的に生徒の勉強不足であることが多いです。また「塾の先生が苦手」は厳しい先生というだけで、大学受験には必要な指導だと私は考えます。
先生のせいにしている場合、転塾したところで同じことを繰り返すだけですので、転塾理由にはなりません。
転塾のタイミング
実際に転塾するタイミングとしては、夏期講習等の長期休みのタイミングや学年が変わる3月、4月のタイミングがいいでしょう。夏期講習等のタイミングであれば、集客を想定して途中から来ても大丈夫なように授業を組んでいる場合も多く、また、新規生に対してキャンペーンをやっており安く入塾できることが多いのでおすすめです。
また、塾に通う目的が変わった時もおススメです。例えば、大学受験を推薦入試→一般入試で受けることに変えた場合、早い段階で補習塾から進学塾に変えた方がいいでしょう。
入試直前や受験学年に上がってからのタイミングでの転塾はあまりおすすめできません。転塾が100%うまく行くとは限りませんし、塾になれるまでに時間もかかります。一番大切な時期に転塾というのは厳しいので、3年生に上がる前にきちんと考え決めるのがいいでしょう。
転塾を成功させるためのポイント
転塾を成功させるためのポイントは以下の通りです。
- 自分に合った塾のタイプを選ぶ
- 通塾負担の少ない塾を選ぶ
- 体験授業を受けてみる
- 自分たちも変わる意識をもつ
ではひとつひとつ見ていきましょう。
ポイント①:自分に合った塾のタイプを選ぶ
今在籍している塾から転塾もしくは通信教育等に変える場合、集団指導、個別指導、通信教育の特徴と向いている人がどういう人なのかというのをきちんと理解しておいた方が塾選びを失敗せずにすむでしょう。
講師歴10年の経験上それぞれに向いている生徒は以下のとおりです。
向いている人 | |
集団指導塾 | 負けず嫌いな生徒 予習復習ができる人 席に座っていられる人 |
個別指導塾 | 学校や集団指導塾の授業についていけない人&物足りなく感じている人 特定の科目を重点的に学びたい人 スケジュール調整が難しい人 |
通信教育 | 一人でも勉強できる人 経費的な制約がある人 忙しい人&地理的な制約がある人 |
まず、自分(自分の子ども)の現状を理解した上で選んでいただけると良いでしょう。
詳しくは以下の記事内でメリット、デメリット等解説していますので、ご活用ください。
ポイント②:通塾負担の少ない塾を選ぶ
転塾して、「思いのほか通塾時間がかかる」「帰るのが夜遅くになってしまい次の日の学校に支障が出る」となってしまってはまた転塾を検討しなければならないなんてことになってしまいますので、そこは慎重に選んであげる必要があります。
また、通塾日数が多いと負担に思う生徒もいるようです。例えば週5で塾となると疲労が蓄積し学校に負担がかかってしまうかもしれません。個別指導であれば同じ日にコマをまとめるとか、集団指導塾では時間割がばらけすぎてないところを選んであげるとかするといいかもしれません。
ポイント③:体験授業を受けてみる
体験授業や授業見学はほとんどの塾が実施しています。ぜひ積極的に参加してみましょう。
実際体験授業を受けてみて、成績が上がりそうかどうか、無理なく通えそうか等検証できますし、資料や評判だけではわからない塾の雰囲気を直接知ることで入塾後のミスマッチを防ぐことができます。体験授業後に入塾後の具体的な相談をできることも多いため、疑問点などを事前に解消しておきましょう。
ポイント④:自分たちも変わる意識をもつ
転塾をおすすめできないケース②、おすすめできないケース③で記述した通り、成績が上がらない原因は生徒の気持ちの部分であることがあります。
せっかく転塾するのであれば、環境だけでなく学習姿勢や勉強方法、生活習慣を見直して改善するきっかけにしてしまいましょう。
この記事のまとめ
以上、通信教育の特徴とメリット・デメリットという内容について解説させて頂きました。
記事の内容をまとめると以下の通りです。
▼この記事のまとめ
よくある転塾を考える理由の中でも、転塾をおすすめするケースとおすすめできないケースがあります。
- 転塾をおすすめするケース
- 成績が一向に伸びない場合
- 積極的な理由でより良い環境を臨む場合
- 経費的な理由の場合
- 塾の利便性が悪い場合
- 転塾をおすすめできないケース
- 一時的な成績の悪化の場合、入塾してすぐの場合
- 消極的な理由でより良い環境を臨む場合
- 塾の先生のせいにしている場合
これらをよく考えた上で、転塾を検討してみてください。
転塾を成功させるためのポイントは以下の通りです。
- 転塾を成功させるためのポイント
- 自分に合った塾のタイプを選ぶ
- 通塾負担の少ない塾を選ぶ
- 体験授業を受けてみる
- 自分たちも変わる意識をもつ
このほか当ブログでは、高校生活、大学受験に関する情報を多数掲載しています。あわせてご活用ください。
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