高校3年生にとって、大学受験は勝負の1年です。
勝負の1年を過ごす受験生の皆様の疑問
大学受験の仕組みがわからない
志望校合格に向けてしなければならないことは何?
の疑問を解決するべく、この記事では、受験に向けて大学受験について1年間のスケジュールをまとめましたので、ぜひ参考にしてください。
大学受験物理講師・ともくん
青森県出身。36歳。
経歴 東北大学物理学科→東北大学大学院理学研究科物理学専攻→公務員(教職ではない)→塾業界に転職。講師歴約10年(物理・数学)
歴代合格実績:旧帝大医学部、国公立大・私大医学部、東工大、旧帝大等多数
長い講師歴で数千人近くの生徒を送り出してきました。実際にいろいろな生徒と接する中で培った経験値を活かして、より多くの読者の皆様が将来の夢をかなえることができるようお手伝いできればと思っています。
本ブログでは、『【高校生・大学受験】大学受験講師がおすすめする通信教育4選』の記事や、『【高校生・大学受験】大学受験講師がおすすめするオンライン個別3選』等の記事を執筆しています。
また、『旧帝大+東工大物理の過去問解答解説』の記事や、『大学受験基礎知識と1年間のスケジュール』『大学受験に備えてやっておくべきこと』等の記事を執筆しています。よければこちらもご活用していただければ幸いです。
受験勉強を始める前に
ここでは、受験勉強を始める前にやっておきたいことを以下にまとめています。
- 大学入試の種類と仕組みを知ろう
- 大学受験がどれだけ大変か知ろう
- 志望校の決めよう
- 志望校の入試科目・配点を確認、一度解いてみよう
- 大学受験に必要な勉強時間を知ろう
です。
大学入試の種類と仕組みを知ろう
大学入試の選抜方法は、大きく分けて「一般選抜」「総合型選抜」「学校推薦型選抜」の3種類あります。
テストの点数で大学の合否が決まる「一般選抜」。こちらは、合否を決めるのは基本的に入試の点数のみです。高校受験では必要だった人も多かった内申点は、大学受験の場合、一般入試ではほとんど影響しません。
一方、推薦系入試である「総合型選抜」「学校推薦型選抜」はいずれも面接や高校の内申点を判断材料にして合否が決まります。指定校推薦や総合型選抜を受ける可能性がある人は学校のテストや通知表の点数を3年間取り続ける必要があります。
この3種類の選抜方法「一般選抜」「総合型選抜」「学校推薦型選抜」がどういうものかは下の表にざっとしてみました。
<一般選抜>
大学 | 国公立大学 | 私立大学 | |
選抜方法 | 共テ+個別試験 | 個別試験 | 共テ利用 |
試験日 | 共テ→1月中旬 個別試験→2/25~ | 1月下旬~2月中旬 (一部3月まで) | 1月中旬 |
<学校推薦型選抜>
公募制 | 指定校制 | |
大学 | 国公立大学 私立大学 | 私立大学のみ |
選抜方法 | 出身高校の推薦書が必要 | |
評定平均値に基準があることが多い。書類審査や小論文、面接が中心だが、一部の国公立大は共テや学科試験を課すこともある。 | 大学が特定の高校を指定して実施する入試方式。勉強や部活の成績などを評価して、校内選考が行われる。 | |
試験日 | 10月中旬~11月下旬 |
<総合型選抜>
大学 | 国公立大学 | 私立大学 |
選抜方法 | 出身高校の推薦書必要なし | |
志望理由書や調査書といった書類審査、小論文や共通テストなどの学力試験、面接など様々 | ||
試験日 | 10月 |
各大学によって、選抜方法や科目配点等が微妙に違いますので、詳しくは各大学の募集要項で確認お願いします。
詳しくは以下の記事にまとめました。ご確認ください。
大学受験がどれだけ大変か知ろう
『高校受験を乗り越え、まぁ大学受験もなんとかなるだろ』と思っている高校生。いざ、受験生になり模試を受け始めると「あれっ?A判定全然出なくね?D・E判定しか出ない。。。。どうしよう。。。」となってしまう生徒、実に多いものです。
2023年度大学入試の国公立大学確定志願倍率は以下の通りとなっています(文部科学省集計)。また、私立大学の倍率については、河合塾調べにより、以下の通りとなっています。
倍率 | |
前期日程 | 2.9倍 |
中期日程 | 13.0倍 |
後期日程 | 10.0倍 |
全体倍率 | 4.3倍 |
倍率 | |
全体 | 2.8倍 |
一般方式 | 3.1倍 |
共通テスト方式 | 2.4倍 |
一期 | 2.8倍 |
二期 | 3.5倍 |
以上のデータから、大学入試はだいたい3倍くらいだというのがわかったと思います。しかし、データ上3倍程度が大学受験の倍率でしたが、実際教育現場で働いていると難関大学に関しては、実際は10倍くらいじゃね?と思うわけです。
私は、塾・予備校業界で働いています。よって、私が普段接しているのは「少しでも難易度の高い大学へ」「なんとか旧帝大学や医学部に行きたい」といった比較的受験意識が一般より高い進学校(自称進学校)の生徒が多いです。
講師としての肌感覚でいうと、4月段階の志望大学(難関大学)に受かる生徒というのは、10人に1人か2人といった感じでしょうか。途中であきらめたり、共テが足りずに出願大学を落とさざる負えなかったりとで、大学合格にたどり着ける生徒は10%くらいな感じです。
大学受験がどれくらい大変かというのは、
の記事に詳細を書いていますので、ご確認ください。
志望校の決めよう
ほとんどの生徒は志望校がある程度決まっているかと思いますが、高校3年生の始まりの時期でもまだ、何も考えていない生徒というのは一定数います。
自分の興味がある分野、将来の夢、自分の得意不得意、いろいろなことを考えて、志望校を絞っていきましょう。
毎年受験生を見ていると、受験校の決め方は人によって違います。
多いのが、『やりたいことがやれる大学』『名前が強い大学』『住みたい地域』の3つです。
正直、どれがいいとかはありません。大切なのは、『自ら探して自ら決める』だと個人的には思っています。
もちろん、1年間の中で、徐々にやりたいことが変わっていく可能性はありますが、ここである程度志望校を決めれるかどうかで、受験勉強への火の入り方が変わってきます。
詳細は以下の記事にまとめましたので、ご確認ください。
志望校の入試科目・配点を確認、一度解いてみよう
いざ、受験勉強が始まったら、戦略的に勉強をしていく必要があります。
まず、志望校の入試科目、配点等を確認しましょう。また、1年間ぶんくらい過去問を解いてみましょう。
当然、この時点では、なかなか〇がつくことは難しいかと思います。
ここでの目的は、『入試科目が何なのか』『分量はどれくらいか』『難易度はどれくらいか』と敵を知ることにあります。
過去問をチェックすることで、ゴールから逆算して、1年間で何をいつまでに勉強していくか、入試科目のウェイトによりどの科目にどれくらいの時間をかけるか等の戦略をたてることができます。
旧帝大+東工大だけですが、入試科目・配点は他の記事でまとめました。
こちらを参考にしてください。
他大学の入試科目・配点に関しては、『河合塾の大学入試情報サイト Kei-Net』で検索することができます。
大学共通テストに関しては、大学入試センター『過去3年分の試験問題』に過去問がございます。こちらを確認してみましょう。
大学入試共通テストの平均点等のデータは
にまとめましたので、ご確認ください。
大学受験に必要な勉強時間を知ろう
ライバルとなる大学受験生の勉強時間は大学生が振り返る大学受験調査|ベネッセにて、以下のように調査されています。
調査時間には、塾・予備校、家庭教師含みますが、学校の授業は除いています。
ほとんどの生徒は一般入試での進学となります。一般入試生徒高校3年生の平均勉強時間は4月で2.1時間、9月で3.8時間、入試直前期12月で4.8時間となっています。直前期に5時間以上費やす人が多いですが、7時間以上勉強すると答えた人は全体の24.5%にも及びんでいます。
1日あたりの学習時間(高3・4月) | ||
一般入試 | 推薦・AO入試 | |
0時間 | 8.4% | 17.8% |
1時間未満 | 31.5% | 38.6% |
2時間未満 | 14.7% | 12.7% |
3時間未満 | 18.2% | 13.8% |
4時間未満 | 11.5% | 8.1% |
5時間未満 | 7.2% | 4.4% |
6時間未満 | 4.5% | 1.9% |
7時間未満 | 1.2% | 1.0% |
7時間以上 | 2.9% | 1.6% |
平均勉強時間 | 2.1時間 | 1.5時間 |
1日あたりの学習時間(高3・9月) | ||
一般入試 | 推薦・AO入試 | |
0時間 | 4.3% | 16.4% |
1時間未満 | 11.7% | 28.6% |
2時間未満 | 8.7% | 9.3% |
3時間未満 | 14.9% | 13.9% |
4時間未満 | 15.6% | 12.4% |
5時間未満 | 14.2% | 8.0% |
6時間未満 | 12.1% | 4.6% |
7時間未満 | 6.1% | 2.4% |
7時間以上 | 12.2% | 4.2% |
平均勉強時間 | 3.8時間 | 2.1時間 |
1日あたりの学習時間(高3・12月) | ||
一般入試 | 推薦・AO入試 | |
0時間 | 3.2% | 25.5% |
1時間未満 | 5.9% | 36.7% |
2時間未満 | 5.2% | 7.0% |
3時間未満 | 9.3% | 8.5% |
4時間未満 | 13.6% | 7.7% |
5時間未満 | 14.3% | 5.5% |
6時間未満 | 14.6% | 3.1% |
7時間未満 | 9.4% | 2.4% |
7時間以上 | 24.5% | 3.6% |
平均勉強時間 | 4.8時間 | 1.6時間 |
ただ、大学入試は最終倍率3倍程度と言われています。志望大学の試験会場にたどり着けなった生徒もいるので、実際は、3倍どころではありません。
単純計算すると、上記平均時間程度の勉強量では倍率3倍の1/3には入れません。当然7時間以上勉強するものだと思ってください。
詳しくは以下の記事にまとめました。ご確認ください。
いざ、受験勉強
ここでは、
- 受験生の1年間の学習スケジュール
- 模試を受けよう
- 塾を選ぼう
について紹介しています。
受験生の1年間の学習スケジュール
志望校合格という目標から逆算すると以下の表のようなスケジュールで勉強していく必要があります。
3月から夏休みまで | 基礎力を身に着ける時期 |
夏休み | 勝負の夏・受験の天王山 |
9月から11月まで | 応用力を身に着ける時期 |
12月から受験まで | 過去問演習、実戦力を身に着ける時期 |
12月から受験までは、共テ対策や併願校の過去問演習、志望校の過去問演習をしていかなければなりません。それを考えると、応用問題や発展的問題の練習を積む時間は、9月~11月になってしまいます。ということは、基本的な事項や暗記等の確認は夏までに終わっていなければ、発展的な内容を9月以降に扱うことができません。
以上の理由から、上記のように進めて行くのが好ましいと言われています。以下、詳細を書いていきます。
3月から夏休み前まで~基礎力を身に着ける~
9月から応用問題、12月から共テ対策&赤本をやるためには、この時期にある程度、忘れていることを思い出しておく必要があります。
英語であれば英単語や英語文法の確認、数学であれば青チャート等で忘れている公式の確認、当然知っておかなければならない解法等を思い出しましょう。
ここで基礎をある程度固めておけば、9月以降より多くの応用問題に取り組むことができ、他の受験生に大きく差をつけることができます。
夏休みは大学受験の天王山。
ここで、頑張らなければ、ライバルに大きく差を広げられてしまいます。夏休みは最後の基礎固めのチャンスです。9月になり学校が始まると、模試ラッシュも始まり、基礎的な内容を確認する時間は限られてきてしまいます。
そして、少しずつ応用問題に手を出していく時期でもあります。
一般的に、夏休みの受験生の勉強時間は1日10時間以上と言われていますが、正直、1日24時間あるのに、半分も勉強していないのは、個人的に『?』となってしまいます。
睡眠に6時間、ごはん、お風呂、移動、休憩に4時間くらいとられるとして、最大14時間くらいはいけるのでは?
大学受験講師としては、やはり12、13時間くらいは勉強してほしいと思うところです。
9月から11月まで~応用力を身に着ける~
この時期は、応用力を身に着ける時期になります。夏休みまでに養った基礎力を土台に、入試レベルに対応できる応用力を身に付けましょう。
例えば、入試問題が載っている問題集等を通して、1学期に学んできた知識・解法をアウトプットする練習をしていきます。
12月から受験まで~過去問演習、実戦力を身に着ける~
この時期は、共テ対策、志望校・併願校の赤本をやっていく時期になります。
入試本番で力を発揮するための、時間配分を意識して過去問を繰り返し解くなど、実戦力を磨きます。
入試直前期でも、過去問を通じて、理解が浅い単元や忘れている事項など必要なときには基本から確認するなど最終調整をしていきましょう。
模試を受けよう
模試を受けるメリットとして、以下の点が上げられます。
- 全国レベルでの実力を測ることができる。
- 分析→復習することで学力向上がはかれる。
- 入試の練習ができる。
模試を受けると、大学別に判定が出るので、現時点で自分が志望校合格までどれくらいの距離があるか測ることができます。
大学受験は高校受験と違い、なかなかA判定・B判定は出ません。(ここで『なにくそっ』と思って勉強できるか、友達と傷のなめあいに忙しくなるかで、勝負が決まります。)
しかし、自分が何ができて、何が理解していないのかを分析することができ、学力向上が測れるチャンスとなります。
9月以降は、マーク模試や記述模試、駿台の〇〇実戦模試や河合塾の〇〇オープン等々冠模試を数多く受けていく時期になります。
可能であれば、学校で受けるだけでなく予備校の模試に自ら申し込み、受けに行くことをおススメします。まわりに友達がいない、環境も違う模試は、本番の予行練習になります。
模試に関する記事は、こちらに添付しておきます。
塾を選ぼう
必ずしも塾に入らなければならないというわけではありませんが、大学受験勉強開始とともに入塾を考えるご家庭が多いです。
『高校3年生になったからそろそろ本格的に受験勉強を』『部活を引退したから塾に通えるようになる』『模試の難易度が上がり、塾を検討し始めた』
と理由は様々です。
塾のような教育サービスとしては、『集団指導塾』、『個別指導塾』、『映像指導』、『添削指導』が上げられます。
それぞれメリット、デメリットがありますので、それを理解の上、自分にあうものを選びましょう。
塾選びに関しては、
の記事にまとめましたので、ご確認ください。
いざ、受験間近
併願校を決めよう
1月中旬に出願校・併願校の最終決定をしなくてはなりません。受験期に近づくにつれ、少しずつ併願校を調べていきましょう。
最近ではネット出願が多いのですが、締め切り直前に募集要項等の必要書類を取り寄せても間に合わない可能性があります。少しでも出願を考えている大学については、早めに出願の手続き方法について確認しておきましょう。
併願は、一般的に5~7校くらい併願して大学受験に臨むものです。併願校の選び方としては、
安全校(A判定)が2校、実力相応校(C判定くらい)が3校、チャレンジ校(D判定・E判定)が1~2校
がよいと言われています。
併願校の決め方については、
の記事を参考にしていただければと思います。
大学受験本番!
詳しくは、
の記事を参考にしていただければと思います。
試験前日までにすべきこと
試験本番で実力を発揮するためには、事前準備の徹底が必要です。試験前日までに以下の3つは確実にしておきましょう。
①:試験当日までに生活リズムを整えよう!
睡眠時間を削って勉強し、体調を崩しては元も子もありません。試験の1週間ほど前から、試験当日を意識して生活習慣を整えておきましょう。特に試験前日は、心身のコンディションを整えるためにも、きちんと睡眠をとりましょう。
②:試験当日の準備は前もって準備しよう!
忘れ物がないか持ち物の確認は怠らないようにしましょう。『試験当日に忘れ物をして慌ててしまう。。。』なんてことにならないよう、事前にしっかり準備しておこう。
③:試験会場の下見をしておこう!
とくに、宿泊が伴う生徒さんは確実に試験会場の下見をしておきましょう。自宅(ホテル)からどういうルートで試験会場に行けばよいか、どれくらいの時間がかかるのか、途中にトイレやコンビニはあるか等々チェックしておくのがおすすめです。
試験当日
特に試験当日だからといってなにか『特別なこと』をする必要はありません。朝起きて、顔を洗って、着替えて、いつもどおりのルーティンを守ると、平常心が保てます。試験会場には、ゆとりをもって動き、試験開始の30分くらい前までに教室に入ることをおススメします。
あとは、今までの努力の成果を置いてくるだけです!
「これだけ頑張ったんだから、きっと大丈夫!」「自分なら絶対やれる!」
そう言い聞かせ、可能な限り、ポジティブに試験当日を強気で乗り切りましょう。
最後に
大学受験の1年間は、模試の結果で一喜一憂する日々が続きます。
辛い時期もあるかもしれませんが、一日一日を大切に、一歩ずつ前進していくことで、皆様が志望校合格をつかみ取れることを心から祈っております。
本ブログでは、『【高校生・大学受験】大学受験講師がおすすめする通信教育4選』の記事や、『【高校生・大学受験】大学受験講師がおすすめするオンライン個別3選』等の記事を執筆しています。
また、『旧帝大+東工大物理の過去問解答解説』の記事や、『大学受験基礎知識と1年間のスケジュール』『大学受験に備えてやっておくべきこと』等の記事を執筆しています。よければこちらもご活用していただければ幸いです。
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